かしまし

2006年3月31日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ [最終回] 第12話 「やがて恋が始まる」(3/29)

 はずむが下した決断は、やす菜の傍にいるということだった。はずむはとまりにそのことを告げ、最後の2人デートを楽しむ。

 男が見えないやす菜が唯一見える男がはずむで、そのはずむの告白を振ったときはずむは女になった。はずむを巡ってとまりと喧嘩したらやす菜は女も見えなくなり、町から出て行こうとしたとき全ての景色が認識できなくなった。アニメ版の「かしまし」をやす菜視点で見てみると、やす菜が恋愛を見失うたびに世界が見えなくなる、いわゆるセカイ系と呼ばれる構造を持っていることがはっきりしますね。はずむがなぜ女の子になってしまったのかという説明はとうとう最後までありませんでしたが、こうしてやす菜を中心に話を組み立ててみるとその理由がよく分かります。一見はずむが主人公に見えるけど、この世界はやす菜を中心に作られていたのです
 だからやす菜が恋愛を取り戻したとき、やす菜を中心とした世界は再び姿を現した。はずむがやす菜を選んだのもむべなるかな。

 3ヶ月間、ありがとうございました。

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2006年3月24日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第11話 「やす菜の瞳から消えたもの」(3/22)

 駅舎でとまりとやりあったときから、やす菜の目からとまりやはずむが識別できなくなった。そして人間一般が認識できなくなり……

 というわけで男だけでなく女まで認識できなくなってしまったやす菜ですが、それと宇宙仁たちを絡めてくるとは思いませんでした。他者に対する識別ができなくなるというやす菜の症状が、宇宙仁たちが抱えている症状と同じであるとは。おなじような鳥や動物を人間が識別できないように、文明の発達した宇宙仁の星では人間が同属である人間を認識できないという。宇宙仁たちが地球に居座っていたのはこれが理由だったわけね。
 そうか、モナーとのまネコの識別ができないのと同じだったのか(<ちょっと違う例えだ)。

 明日太のところへ逃避するはずむの前に、あゆきが表れはずむが逃げていた現実をさらけ出す。傷つけないように振舞うことでさらに傷つけてしまうという矛盾を。その後で宇宙仁の話が出る。やす菜の症状を治すためにはやす菜が誰かに恋をすることが大事だということかと尋ね返すはずむに、宇宙仁は……

 直接見ただけでなく、写真や記憶の中ですら人間を識別できなくなったやす菜は、祖母の家に引っ越すことを決意する。その前にとまりを呼び出し、自分のことを打ち明ける。心から打ち明けたやす菜にとまりは、はずむを譲ることを言う
 とまりが今回の頭まで「やす菜に奪われたくない」と言ってたのに、この時点でやす菜に譲るようなことを言い出したのは、やす菜に同情したからと言う訳ではないと思います。自分の思いとやす菜の思いを比べて、やす菜の方がはずむを深く思っている(必要としている)と実感したからではないでしょうか。

 でもやす菜は、引っ越す決意を固めているようですね。そしてはずむはどんな決心をするのか。

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2006年3月16日 (木)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第10話 「小さな嵐」(3/15)

 主人公が元男の子の女の子という嘘設定を1つ入れることで、女の子同士の三角関係という設定に逆にリアリティを与えているこの作品の構成力と脚本力には相変わらず凄いと唸らされます。今回お互いの誤解と行き違いが、せっかくのやす菜ととまりの間の友情にあっさりとヒビを入れてしまいました。
 錯乱したやす菜を庇ったはずむの姿を見て勘違いしたとまりは、何気ない仕草からやす菜への疑念を深めていき、対抗してはずむを連れて駅舎へホタルを見に行く。追いかけたやす菜はとまりがはずむに告白するのを見て、嘘吐きと罵る。どちらが悪いというわけでもないままに、再び3人の仲は不安定になっていく。
 通常の恋愛ものならこういう状況に陥った場合、一番悪いのは優柔不断な主人公と相場が決まっているものですが……はずむが男のままだったらね。

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2006年3月11日 (土)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第9話 「その願いはかないますか?」(3/8)

 鹿島神社のお祭りに行くお話。
 明日太、哀れ。ドサクサに紛れて午後6時に約束を取り付けたのはよいけれど、みんなが決めた約束の時刻は5時。無視して置いてくつもり満々です。明日太のことだから「約束の時間の1時間前に来ちゃったよぉ~」というオチかと思ったけど、30分じゃあ中途半端だったか。

 浴衣を持っていないとまりにやす菜が浴衣を貸す。やす菜ととまりは、同じ人を好きになって、しかしどちらもすぐには恋人同士になれない、そんな微妙な関係が結びついた友情でしょう。今は友達同士でいいから3人でいたいという暗黙の取り決めを交わしたというところ。それは後の、ピンクと白の綿菓子でもありますね。

 はずむがお祭りに抱いていた違和感とは、ピンクと白の綿菓子をどちらも選べずに終わってしまったという思い出でした。これははずむが昔から優柔不断であることを示すエピソードであると同時に、とまりとやす菜の二人のどちらを選ぶかという暗喩になっている(という割にはあからさまな描かれ方だったが)。大事なものが選べないというのがはずむの抱いているトラウマなのですね。
 そんなはずむに対して、とまりとやす菜が出したのは二つの綿菓子でした。両方とも欲しいならどちらも選べばよい──今は3人でいてもいい──ということ。これが今の時点での3人の解答なのでしょう。

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2006年3月 3日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第8話 「見ているだけが…」(3/1)

 宇宙仁の発案で、夜の学校に納涼肝試しをおこなうことになる。ちなみに作中の季節は夏休み。
 元男のくせにお化けや幽霊を本気で怖がっているはずむと、それをなだめすかしているとまり。そしてとまりに誘われたやす菜。この3人の関係が落ち着きを見せましたね。とまりもやす菜もお互いはずむが好きなことを認めて、そして同じ人を好きになった相手を認め合った。恋敵でありながら女同士の友情が成立しました。

 その一方で明日太ですが、お前、先週全然はずむに相手にされていないって思い知らされたばかりだろうに、相変わらず妄想逞しいですな。まあコメディリリーフだから仕方ないか。

 そして今回の主役はあゆきちゃん。蝶のようにきれいになりたくない、綺麗になっていくのを見ているだけが彼女のスタンスだというお話でした。話の流れからいうと彼女もまたはずむのことを意識しているのでしょうが、決して舞台の上には上がらない。遠くからはずむが綺麗になっていくのを眺めていくだけというのが彼女のスタンスなのでしょう。

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2006年2月24日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第7話 「みんなで海へ」(2/22)

 やす菜の勧めではずむがみんなを誘って海に行く。なぜ私まで誘ったのかというとまりの疑問に、やす菜の答えは「もっとはずむの事を知りたいから」
 この回答は、やす菜がはずむともっと深い仲になりたいという宣言ですね。とまりに対する事実上の宣戦布告か。
 そのやす菜の答えに対してとまりも「私もはずむのこと好きだから」
 お互いに恋敵として認め合った瞬間ですか?

 しかし、それよりも可哀想なのははずむの天然に振り回される明日太の一人芝居……
 はずむにしてみれば、明日太は男の頃からの親 友。女になったからといって、今更それが代わるわけでもないという感覚でしょうね。しかし、素で女の子の仕草をこなしてしまっているはずむの態度は、明日太から見ればセックスアピールと映る。素でやってるだけでその気がないことは分かってるだけに、無かったこととして振舞うしかない明日太の悶々とした一人芝居が胸を打ちます。

 あと、宇宙仁とジャン・プゥの乱入。
 地球の常識を知らない宇宙仁が、ふんどし姿になったり裸エプロンになったりと壮絶なボケを行ってますが、そのボケにただ一人やす菜だけがきょとんとしているところが芸が細かい。
 あと、超激辛のカレーを作って、甘口と称して食べているやす菜……あんた視覚だけじゃなくて味覚もおかしいんかい!?

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2006年2月17日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第6話 「お嫁さんとお婿さん」(2/15)

 はずむ、とまりにもお友達宣言の巻。

 はずむとやす菜のキスシーンを目撃してから、急によそよそしくなったとまり。とまりは二人の仲を祝福するそぶりを見せながらも、二人から離れていこうとする。
 この時点ではとまりは、やす菜と随分差をつけられていました。恋愛は駆け引きといいますが、とまりを追いかけようとしたはずむを捕まえるなど、やす菜の恋愛技術はなかなか上手かった。でも結局ははずむがやす菜とも一緒にいたいと訴えたおかげで、見事に三角関係が成立しました。結局三人の中では、はずむが一番恋愛に疎かったということか。

 とはいえ、やす菜を受け入れると決めておきながら、いざとなるととまりの姿を思い出すという展開は上手い。これではただの優柔不断じゃないかという気もするが、三角関係の主人公は優柔不断だと相場はきまっているものだし。

 冗談を抜きにすれば、はずむが自分がやす菜のことを好きなのと同じレベルで、とまりのことも好きであるということに気付いていなかったということでしょうか。いつも側に居るのが当たり前の幼なじみだから、自分がやす菜と付き合うことになったら、とまりとは疎遠になるということに思い至っていなかったということでしょう。だからいざとまりが遠ざかると、その状況が嫌な自分に気付いた。僕はやっぱりとまりちゃんとも一緒にいたいというわけですね。

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2006年2月10日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第5話 「やす菜の目に映るもの」(2/8)

 はずむをめぐるやす菜ととまりの鞘当てが激しくなるなか、ついにやす菜が自分の事情を話しだす。

 一度振った相手を追いかけるやす菜の態度に業を煮やしたとまりの追求に対し、一旦は身を引く態度を見せるやす菜。彼女を引き止めたのははずむだった。やす菜が告白するには、彼女には男が見えないという。
 物心ついた頃からやす菜は男の人の姿が見えず、そこにいるということしか分からない。父親をも含めて男の人の区別がつかないため知らず知らず他人を傷つけていた彼女は、ずっと独りでいようと決心していた。はずむの姿だけが見えるのを除けば。だから告白されたときに逃げたのははずむの姿が見えなくなることを恐れてだったからだし、はずむが女の子になって見えなくなる心配がなくなったら追いかけてしまった。

 先々週の疑問の回答が、図らずも出てきてしまった。やす菜は告白後もはずむの姿が見えていたのか。

 ──やす菜にとってはずむが特別だったのは唯一見ることのできる男性だからであって、はずむが女性になったらその意味がなるなるじゃんと思ったのは気のせいでしょうか?

 ここで、通常はあり得ないようなやす菜の事情を、なぜ宇宙仁が気付いたのかという疑問が浮かぶのですが。まあ彼は宇宙人だからということにしておきましょう。地球人の常識に捕らわれない宇宙仁には、きっと男性だけがみえなくなるという現象も想定の範囲内だったのでしょう。多分。
 事情を告白し、後悔したくないからとやす菜ははずむに迫り、キスをする。その様子をとまりがみてしまうが。──ここで第1話のアバンタイトルに繋がるんですね。随分と長いカットバックでした。

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2006年2月 3日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第4話 「少女三角形」(2/1)

 主人公が元男の子の女の子であることと、宇宙人云々の件を除けば、この作品は至極真っ当なラブストーリーを描いています。

 とまりの目から見たら、やす菜は一度は自分から振った相手に接近して告白しようとしている。それは当然恋愛のルール違反です。
 やす菜の目から見たら、とまりは一度も舞台に上がろうともしないで相手を独占しようとしている。それもまた恋愛のルール違反です。
 そしてはずむの目から見たら、やす菜は一度は振られて友達からやり直した相手であり、とまりは小さな頃から一緒の幼なじみだった相手。しかも今は女の子同士の関係であり、当然どちらも現在のはずむにとっては恋愛の対象外です。

 だからやす菜ととまりはお互いを意識せずにはいられないし、はずむを譲ることはできない。はずむははずむで、やす菜ととまりの間にそういう微妙な駆け引きが行われていることに気付けなかった。

 おそろしいほど微妙なすれ違いを描いていますね。見事な脚本です。

 あと、あの居候宇宙人が学校に副担任としてやってきて、宇宙仁(そらひとし)と名乗ってきました。また安直な名前を……。

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2006年1月27日 (金)

かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~ 第3話 「はずむの心、やす菜の心」(1/25)

 神泉やす菜は実は男の人を認識できなかった!? 男の姿が視覚に映っても、脳がそれを認識しないということでしょうか。声で男の人がいることが認識できても、視覚ではその人物を区別することができない。そしてそれは男の人なら、クラスメートに限らず父親でさえ認識できないということなのでしょう。

 ──するとはずむは、やす菜には男の人と意識されていなかったということか?

 はずむが告白するまでは、やす菜ははずむを認識できていたはずです。これはやす菜がはずむとそれまでも友達づきあいしていたことからも伺える。そこで、やす菜が告白されたときに断ったのは、はずむが認識できなくなったからなのかという疑問が生じる。
 やす菜がそれ以降もはずむのことを認識していたのは、その後の展開からも伺える。宇宙人の世界放送が行われたとき、映像に映ったはずむの姿を見て山に向かったのはとまりとやす菜だし、この話でも塀の向こうのはずむの顔を明らかに認識している。しかしそれははずむが女の子になってからの話であって、これだ けでは男のはずむを認識できていた証拠にはならない。

 問題はやす菜の「(嬉しかったのに告白を断ったのは)私に勇気がなかったから」という言葉をどう解釈するかですね。

 これは素直に読めば、はずむを男だと意識することで認識できなくなることを恐れていたと解釈できる。この場合はやす菜は告白後もはずむを認識できていたとして構わない。しかしやす菜は自分が男の人を認識できないという障害を持っていることを、クラスメートに隠していました。これを考慮に入れると、やす菜は自分が男の人を認識できないことを隠すために嘘を吐いた、つまり告白された瞬間から男のはずむを認識できなくなった(から断ってしまった)という解釈も成り立ってしまうのです。

 どちらが正しいのかはこれだけでは分からないし、どちらの解釈も成り立つように作られているので、それはこの時点ではさほど重要じゃないということでしょう。それなのにこうしてグダグダ書いてしまうのは、感想書きの悪しき習性ですね。

 押しかけ居候の宇宙人とジャン・プウに困惑するはずむと、それをあっさり受け入れてしまう大佛夫婦。この4人の周辺でだけギャグ空間が張り巡らされているのは気のせいでしょうか。

 あと、とまりの活躍を女友達の間でかっこよく話りたり、ファミレスでパフェをつついたり。はずむってすっかり女の子になってしまってますね。そのくせノーブラのパジャマ姿で玄関に現れたりと脇の甘いところもあるから、そのとばっちりを明日太が全て引っかぶり……やっぱり狙ってやってるんじゃないだろうか?

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