マリア様がみてる 4thシーズン 第12話 「クリスクロス (L'entrecroisé)」 (3/25)
原作第26巻『クリスクロス』収録の同名長編「クリスクロス」のほぼ全パートにおけるアニメ化です。「ほぼ」と書いたのは、最後の4ページ分だけ次回に回されたから。
それで、初見での感想を一言でいうと──よくこの話を30分にまとめたなあということ。この時期の原作小説は話が遅々として進まず、文庫本1冊に話を膨らませるためにサイドストーリーを挿入していたことが多く、そういう不要不急なエピソードを削ることで、文庫本1冊分の内容ををアニメ30分(実際には24分半。そのうちOPとEDがそれぞれ1分半でさらに次回予告もあるから実質21分)に収めることが出来たわけです。
しかしそれにしても、削られたエピソードがあるから尺に収めることが出来たわけです。しかし『クリスクロス』では原作134ページ分の内容を過不足なく伝えている。残り41ページ分の「地図散歩」がなくなったとはいえ、エピソードの取捨選択が巧いなあと思いました。
さて、前回のラストで瞳子の窮地を救った乃梨子ですが、その瞳子はまた以前と同様の振る舞いに戻ってしまいました。しかし今まで「乃梨子さん」だった瞳子からの呼称が、あの件以来「乃梨子」に変わりましたね。原作のこのシーンは乃梨子視点だったので地の文が解説してくれたのですが、アニメでは解説なしのスルーだったので分かりづらかったかも。
祐巳と祥子が姉妹でチョコレート交換する。その後で白薔薇姉妹の蜜月空間に出くわしてあわてる祐巳ですが、その光景と自分たちの姿を思い返して一人でテンパります。もともと百面相といわれるほど感情が顔に出やすい祐巳ですが、ここまでコミカルに描かれたシーンはアニメでも珍しいですね。
祥子と瞳子の対峙のシーンはなかなか迫力がありました。祐巳の前にいると怖いと祥子は言いますが、それを自覚してそれでも好きだから一緒にいると宣言するシーンは凄かったですね。ただ動きがないのが気になった……
それと社会化準備室で白地図を探す瞳子の前に乃梨子が表れ、祐巳はもっと器の大きい人間だと諭すシーンも良かったです。友達だから言いたくないことも言うという乃梨子でした。
両者とも祐巳と瞳子の関係を心配して、それぞれのやり方で瞳子に活を入れたのでしょう。特に祥子は、祐巳がしばらく距離を置くことにしたと聞いていながら、それでも祐巳が選んだ相手としての瞳子に激をいれるところなんて、やはり気になったのでしょうね。
そしてその周囲の人間たちの気遣いに囲まれた瞳子は、宝探しゲームの終盤に、薔薇の館の祐巳のところまで駆け出していきます……
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