マリア様がみてる 4thシーズン 第10話 「キーホルダー (Le porte-cref)」 (3/4)
原作第25巻『大きな扉 小さな鍵』収録の中編「キーホルダー」のアニメ化。祐巳が話の中心にいるのに、珍しく祐巳視点ではないお話です。この話を見ただけではどこがキーホルダーなんだとサブタイトルに偽りアリと言いたいのですが。
新聞部が今年も持ってきたバレンタインデーの宝探し企画。ブゥトン=次期薔薇さまのカードを探せ! ですが、これは山百合会が全校生徒のあこがれであり、アイドルであるからこそ成り立つ企画ですね。山百合会が一般生徒にとって高嶺の花であり、気軽に接することができないからこそ、一般生徒たちが競って宝探しをするわけです。
だから水野蓉子さまが目指した開かれた山百合会というのは実は諸刃の剣。薔薇の館の敷居が低くなって、一般生徒たちが気軽に訪れるようになったら、わざわざ宝探しゲームで半日デート権を獲得してまで薔薇さまと知り合おうとする必然性が薄れるじゃないですか。次期薔薇さまたち……現在の二年生はどちらかというと庶民派よりなので、再来年薔薇さまになる1年生の課題は、敷居が下がったことで失われた山百合会の権威を取り戻すことになるのではないかと私は予想しています。
さて、次期薔薇さま=ブゥトンのカードを探せですが、白薔薇さんちは次期薔薇さまが志摩子、ブゥトンが乃梨子ということでどちらがカードを隠すことになるのかでもめます。でも、志摩子がカードを乃梨子に押し付けようとした理由が「乃梨子のカードを探したかったから」。とっても仲が良すぎますね。
話が前後しましたが、祥子が帰宅すると、小笠原家に訪問に来ていた柏木優と出会う。二人は土産物の饅頭を食べるために手洗いと称して密談をしますが……お饅頭を食べるために手洗いですか。ウチの実家ではそういうお菓子があると、直ちに食べないと無くなっていたようなところなので……ウチの育ちの悪さがばれてしまった。
優は祥子に、祐巳と瞳子のことを聞く。瞳子の家出のことを話して、祥子も山百合会選挙のことを話しますが……祥子に祐巳のことを好きと聞かれたときの優の動揺は、明らかに祐巳のことを異性として認識しているという顔ですね。その後の言い訳めいたやりとりもそう。祐巳への「好き」と祥子への「好き」は違うという言葉からも、なかなか複雑な思いがありそうです。でもまあ、当の祐巳は優のことを男として認識していないわけで……
そして祐巳は、瞳子の件があったにもかかわらず泰然としている。あまりに落ち着きすぎて疑問や不安に思った由乃や乃梨子が聞くと、自分がどうこうしても仕方がないからという祐巳の返事が返ってくる。このあたり、祐巳の成長ぶりが伺えるけど、あまりに成長ぶりが急すぎて周りの人間がついていけないという戸惑いがありますね。だから周りの人間が、祐巳が何を考えているのか分からなくなったと。
祐巳が瞳子のことを大好きだと答えた事に、乃梨子は満足します。
ロザリオの授与こそ拒否されたけど、すでに山百合会のメンバーは祐巳と瞳子を「姉妹」とみなしている時期です。あとは瞳子次第なのですが……
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