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2009年2月 8日 (日)

[考察] ナギ・スプリングフィールド杯の困った展開

 魔法世界編に突入してから1年が過ぎ、いよいよ魔法世界編のクライマックスの1つ、ネギ対ラカンが始まります。ネギはラカンと戦って勝つしかないという流れで話が盛り上がっており1ファンとしては非常に楽しみな展開なのですが、しかし平行して考察をしている身としては頭が痛い。ここ数話の展開は、これまで培って来た魔法世界編の伏線を台無しにしているとしか言いようがないからです。

 まず、ラカンがカゲタロウと組んで大会に参加したというところがおかしい。もともとカゲタロウが大会に参加したのはラカンの出した交換条件によるもの。自分と戦いたいのなら、まず弟子であるネギと戦えという話だったはずです。いわばラカンに挑む資格があるか否かを見極めるためのテストだったはず。

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 ところがそのカゲタロウがラカンと酒を飲んで笑いあうぐらいに仲良くなってしまったら、大会に参加する意味がなくなってしまうじゃないですか。仮にカゲタロウがまだラカンに挑むつもりだったとしても、これでネギ・小太郎組に勝ってもラカンに「俺のせいで勝てたんだからお前に戦う資格はないぜー」と反故にされてしまうのが関の山でしょう。

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 本来、カゲタロウにはラカンと組んでまで大会に参加する理由はないはずなのです。

 そして対ラカン戦にむけてネギを鍛えるために、魔法世界の重鎮3人がネギに力を貸しますが、これは明らかにラカンの伝を辿っての協力の申し出でしょう。つまりリカード、セラス、テオドラの3人は、ネギたちの事情をある程度は聞かされているはずなのです。
 となると、ネギたちが背負ったもう一つの荷物である、フェイト一味との対決のことも承知しているはず。もともとラカンがネギに戦いを挑んだ理由の1つに、フェイト一味に対抗するには自分と同格の実力が必要だから、ネギの実力を見極めるためというものがあります。

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 だがしかし、フェイトの目的は「魔法世界を破滅させること」(byクウネル)なのだから、フェイトのことは魔法世界全体で対処するべき問題のはずです。それがネギたちが対峙することになったのはフェイトの陰謀を知っているのがネギ・パーティしかおらず、しかも彼女たちがフェイトにはめられて指名手配犯として国際指名手配されているという状況にあります。ネギたちがしかるべき筋に知らせようにも、その相手が自分たちを追っている状況では信じてもらえるかすら怪しい。ならば自分たちだけでも対抗しなければならない、というのがそれまでの展開だったはずです。
 しかし現在では、テオドラたち3人はネギの事情を知っているはずなのですから、当然フェイト一味のことは本国に知らせて対策をとらせるべきでしょう。つまり現状ではネギたちは無理にフェイトに対抗して力を身につける必要はなく、したがってネギがラカンと戦う理由はあくまで「父と同じ舞台に立ちたい」「父の友人が一人の男として認めたから」という個人的なものに尽きるのです。またテオドラたち3人がネギに力を貸す理由も(表向きは)ネギをラカンに勝たせたいからという個人的なものになっています。
 もちろん亜子、アキラ、夏美の3人を解放するためという理由もありますが、これはぶっちゃけお金の問題です。そしてネギと小太郎はわずか2週間で5万ドラクマのファイトマネーを稼ぎ出しましたし、ハルナもわずか1ヶ月で15万ドラクマを稼いで中古の飛行艇を購入しているのです。つまり、計算上は4ヶ月掛ければ100万ドラクマを稼げることになるのです。

 つまり、現在のネギ対ラカンに至るまでの筋道は、それまで培って来たネギ対フェイトの伏線を無視する形で、というより無効化してしまうような形で進んでいるのです。これでは伏線を重ね合わせて展開予想することができません。今まで「ネギま!」はそれまで構築した伏線を無視して理不尽な展開をしたことが少ないだけに、ここ数回の急展開には少々困惑しているのです。
 よく似た展開としてはそれまで対チャオ戦への伏線で盛り上げておきながら、いきなり1週間後の世界に飛ばされて戦わずして負けた麻帆良祭編の3日目が挙げられます。ですがこれはまだしもあり得る展開でしたし、読者としても見事にやられたと納得のいくものでした。またこの次にネギたちがカシオペアを使って3日目に戻ることは予想できたので全然理不尽でもありませんでした。

 では、なぜラカンはネギに理不尽な戦いを挑み、テオドラたちはネギに力を貸すことになるのでしょうか。

 (つづく)

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コメント

初めまして、同じ様に考察記事とか書いたりしている玉王と言う者です。
と言うわけで、自分はこう言う考えと言うことで、ちょっと書かせてもらいます。

取り合えず、フェイト達の事をテオドラ達が知っていても、本国に知らせるのは難しいと思います。
これは、『ハリー・ポッター』でも言えた事ですが、前に倒したはずの悪の組織が生き残っていて、しかも倒した英雄は行方不明と言う状態になったら、世間が混乱すると思います。
そうでなくても、表面上は平和だが、見えない所ではお互いに牽制しあっているので、何が火種で、再び戦火が起こるかも分かりません。
そうなると、世間に混乱が起こる前に、倒す可能性を持つネギを育てて、当らせる方が良いかもと。
小さい子供に責任を負わせているような気もするが、実際にネギの成長速度を考えると、可能と考えられるだろうし。

投稿: 玉王 | 2009年2月 9日 (月) 00時10分

玉王さんへ
なるほど、世間の混乱を気にしてのことですか。その可能性には気づいてませんでした。
ただ、それでも国家組織なら隠密部隊の1つや2つは用意しているはずです。フェイト・パーティが大軍を擁しているのならともかく、現時点ではわずか9人しか確認されていません。世間に知られる前に事を納めるのなら、その手の隠密部隊を派遣すればいいのではないかとも思うのですよ。

投稿: JUN | 2009年2月10日 (火) 01時44分

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