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2008年11月 4日 (火)

[考察] 守るヒロインから守られるヒロインへ

 [考察] ネギま!のヒロインは守るヒロイン
 [考察] なぜ、クラスメートたちは守るヒロインなのか
 の続きです。

 そもそもネギの本来の目標とは、「父親の後を追う」ことでした。立派な魔法使いとなって世界を助ける旅に出ることも、そのための課題として麻帆良学園で教師を務めることも、この本来の目標に近づくための手段や試練に過ぎません。

 では、なぜネギはそこまで父親の後を追うのか。それはネギにとっての原罪、あの雪の日の出来事に対して決着をつけるために他なりません。

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 危機(ピンチ)になったら父親が助けてくれると思った。
 本当に村が襲われて壊滅するほどの事件が起きた。
 ネギを助けるために実際に父親が助けに来てくれた。

 だからネギの中では、「ボクが父親に会いたいと思ったから村は壊滅してしまった」というように罪悪感が結びついてしまっているのです。ネギがそれを乗り越えるためにも、実際に父親にあって確認しなければならないのです。なぜ、村は壊滅しなければならなかったのか。普段姿を表さない父親がなぜあのときだけ助けに来てくれたのか。あの雪の日の出来事には、ボクはどこまで関わっているのか。
 明日菜たちクラスメートはそんなネギを知れば知るほど危なっかしさを感じ取り、本来関係ないにもかかわらずネギの身の上を守るためにネギの旅についてきているのです。

 ところが、ネギは魔法世界において、明日菜の身の上を知ってしまいます。曰く、明日菜が黄昏の姫御子であり、父親が守れなかった王国のお姫様であることを。

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 ネギにとって父親の後を追うことは、他の何事にも換えがたい大切なことです。実際明日菜や千雨たちがもっと子供らしくした方が良いと言っても、まず父親のことについてケリをつけなければ先には進めないと宣言しているほどなのです。
 その父親がやり残した仕事があった。ネギが父親の後を追う限りは、そのやり残した仕事も受け継がなければならない。つまりネギが父親の後を追う限り、明日菜の身は必ず守り通さなければならないのです。ここでいう明日菜の身を守るとは明日菜を危機から物理的に守るという意味だけではありません。父親ナギが姿をくらませてまでも明日菜に与えた幸せである、麻帆良学園中等部3-Aの、一人の女子中学生としての神楽坂明日菜そのものの生活を守り通さなければならないのです。

 もちろんネギはこの直後のシーンで、明日菜さんは明日菜さんだと自分の気持ちを整理しています。しかしネギの中における明日菜の立ち位置が変わったことを匂わせる兆候は、すでに215時間目にて描写されています。

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 魔獣が多く危険な廃都オスティアでの帰還ゲートの探索と発見の仕事を、刹那や楓に任せたときのシーンで、ネギは明日菜と木乃香には一緒に探しにいくことを止めるのです。木乃香はともかく、この時点における明日菜は確かに並大抵の魔獣であれば後れを取ることは無いでしょう。そんな明日菜の疑問に、ネギは実に答えにくそうに口ごもっています。直後の刹那とラカンの言葉で、その危険がフェイトのことであるとその場は収まったのですが、もし本当にフェイトだけが理由なら、ネギはここまで答えにくそうにしているものでしょうか。

 それにフェイトがいるから明日菜を危ない目にあわせられないということは、刹那や楓なら危ない目にあっても構わないということにもつながります。確かに刹那と楓は裏世界でも一流で通用するほどの腕前を持ってるのでフェイトが現れても逃げるくらいのことは出来るでしょうが、それにしてもこの場面におけるネギの態度は明日菜に対して過保護なきらいがあります。

 この時点において、ネギはラカンから明日菜の身の上については完全には知らされてはいませんが、(明日菜に薬を飲ませるために)ある程度のことはほめのかされているそぶりがあります。おそらく明日菜が父親ナギと関わりがあるらしいということには気づいていました。すなわち、ここにきてネギの父親探しの物語に明日菜の物語が合流を果たしたのです。
 だからこそネギは、明日菜にはできるだけ危険な目にあわせたくないと考えても不思議ではありません。ネギがクラスメートたちを守らなくてはいけないと思う気持ちとは別の次元で、明日菜はネギにとって守らなくてはならない存在になったのです。

 ところが、その当の本人はそんな自分の立ち位置の変化に気づいていません。それどころか、自分がネギにとって、そして魔法世界にとってどれほど重要な人物なのかを全く知らされていないのです。
 だから明日菜の意識の上では、未だに自分たちがネギを守らなければならないと考えています。だからこそネギま部の部長として、クラスメートの代表として率先してネギを守ると宣言しているのです。

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 今の明日菜はただ単にクラスメート31人の代表格という位置づけではありません。ネギの父親が最後にやり残した仕事の忘れ形見であり、また魔法世界の命運を賭けた陰謀を巡るキーパーソンでもあるのです。それはまさしく主人公の少年に冒険をもたらすきっかけを与える少女の役回りであり、ネギの父親探しの物語において明日菜は本当の意味でのヒロインとなったのです。
 ところがその当の本人が、自分がネギを守らなければならないと考えている。そして明日菜の性分から考えて、自分が理由もなく危険から隔離された安全な立場に甘んじることには耐えられないはずです。

 そしてこの二人の意識のずれが、ネギと明日菜の間に不協和音をもたらさないとも限らない
 これが、私の気になったことなのです。

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