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2008年9月 3日 (水)

[考察] フェイト・パーティにいるもう一人の神楽坂明日菜

 超の言動からフェイトの目的を類推する事を目的としたこの考察シリーズ
 『フェイトの目的はエクソダス阻止』は成り立つか?
 超の目的は対フェイト戦の予行演習か
 フェイトの目的は魔法世界全土への強制完全魔法無効化を検証する
 では、私はフェイトの目的を明日菜の能力を使った魔法世界全土への強制完全魔法無効化であると推理しました。
 ところが、その作戦を実行するに当たって絶対に必要なはずの明日菜に対して、フェイトはあまり執着を見せていないのです。それどころか、ネギを悩ませるためだけに(多分)あきらめてもいいとまで言っています。これは一体どういうことか?

 さらにはラカンが、明日菜の能力について、「この世界に息づく魔法の力を終わらせていくという神代の力」とまで述べているのが致命的です。つまりこれは、この作品世界で魔法の力が失われるとしたら、それは明日菜の力によるものであると断言しているようなものだからです。それなのにフェイト一味にとって、神楽坂明日菜の存在は必ずしも必須というわけではない。この矛盾に答えない限りフェイトの目的は「魔法世界全土への強制完全魔法無効化である」という説は成りたたないのです。

 

 さて問題になったラカンの告白ですが、

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 私はこのラカンの告白を読んだとき、即座にこれはおかしいと思いました。ここで述べているラカンの話が本当だとすると、この世界における完全魔法無効化能力者は「黄昏の姫巫女」神楽坂明日菜ただ一人だけだというように読み取れるからです。

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 実際続くこのシーンを素直に読めば、完全魔法無効化能力者と「黄昏の姫巫女」がイコールで結ばれていると解釈できてしまいます。だがもし本当にそうなら、過去に出てきた夕映のこのセリフは一体どのように説明すればいいのでしょうか?

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 夕映のアーティファクト「世界図絵」には、完全魔法無効化能力者が「片手で数えられるほどしかいない」と書かれていました。つまりそれは、「最低でも複数人は確認されている」ということなのです。しかもそれは「今現在の魔法界に」なのです。当時旧世界に住んでいた神楽坂明日菜がそこに含まれているとは考えられません。
 それにもし完全魔法無効化能力者がイコール「黄昏の姫巫女」ならば、「世界図絵」にもきちんとそのことが載せられているはずです。少なくとも完全魔法無効化能力者は、魔法世界のとある王家の血筋のみに顕現するという記述はあってしかるべきでしょう。もしそうならば、そこからすぐに明日菜が魔法世界の亡国のお姫様であることが、ネギ・パーティのみんなにも知れ渡っているはずです。

 もちろん長期連載ゆえに途中で設定が変わったという推測はできないこともありません。この時点で明日菜の正体がバレるのは明らかにまずいので、わざとぼかした設定しか「世界図絵」に与えていなかったという解釈も成り立つでしょう(その場合は黄昏の姫巫女が完全魔法無効化能力者というのは、深度Aを超える機密情報ということになる)
 でももしこの夕映のセリフが間違っていないなら、これが示す事実は明らかに1つです。つまり、
 神楽坂明日菜(黄昏の姫巫女)以外にも、完全魔法無効化能力者は存在する
 のです。

  極めて危険と評される完全魔法無効化能力者を魔法世界が監視や保護をしていないとは考えにくいのですが、その完全魔法無効化能力者を、もしフェイト一味が独自に発見して仲間に加えていたとしたらどうなるか。フェイトにとって、明日菜は確かに「いなくても支障はないが、いればより計画を確実に遂行できる存在」となるのです。

 いや、ラカンがいう「黄昏の姫巫女」の伝説はそんな意味じゃない。確かに完全魔法無効化能力者は複数人いるのかもしれないが、世界規模の完全魔法無効化を実現できる存在はやはり「黄昏の姫巫女」しかいないと解釈するべきだ、という反論もあるかと思います。
 しかしその場合でも、明日菜以外の完全魔法無効化能力者がいるという事実が重いことには変わりありません。

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 フェイトのこのセリフは、フェイトが作られた人形であることを示しています。6巻におけるエヴァのセリフからも、フェイトが魔法で作られた人形、あるいは人造人間であるという推測が成り立つのです。
 だとするなら、フェイト・パーティの(月詠と従者を除いた)残りの2人もまた人形である可能性はないでしょうか。そしてそのうちの1人は、「明日菜を元に作られた人形」である可能性はないでしょうか?

 それが成り立つためには、フェイトが明日菜の情報または体組織を得る機会はあったのかという問題が生じます。実際フェイト本人が直接明日菜の情報や体組織を得る機会はありませんでした。しかし、そのフェイト(またはその黒幕)が使わしたらしいヘルマンは、ネギと戦う前にまず完全魔法無効化能力者としての明日菜を拉致しています。そのときに明日菜の体組織を採取してフェイトたちに送付した、と考えることは出来ないでしょうか。

 その場合、フェイト一味が作った明日菜クローンと思しき人物は、彼または彼女ということになります。

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 彼または彼女(以後「彼女」に統一)は、フェイト・パーティの中でも前線にでて戦うシーンが今までありませんでした。ネギたちと遭遇したゲートポートの戦いでも主に戦ったのはフェイトのほかには魔導士と女剣士(月詠)だけで、彼女はゲートの楔(要石)を破壊することだけに専念していました。またラカンの強さ表でも強さを数値に表わされていたのは魔導士と女剣士だけで、彼女はなぜかその強さを明確にされませんでした。
 つまりフェイト・パーティにとって彼女は非戦闘要員であり、前線に出して戦わせたくはない存在なのです。その役割はオスティアのゲートポートにて、「黄昏の姫巫女」のクローンとしての力で魔法世界全土に完全魔法無効化能力を放つためと考えると、彼女の役目は明日菜の代役ということになって筋が通るのです。

 そしてもしこの推測が真実なら、ネギたちがあくまでフェイトたちと対立する道を選んだ場合、もう一人の神楽坂明日菜と遭遇することになるのでしょう。そのもう一人の明日菜はおそらく、

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 自分には何もないと言っていた孤独な少女、アスナ・ウェスペリーナがそのままの人格で大きくなった姿だと想像できるのです。

 (ちょっと仕事がきついので、続きは3~4日後に)

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コメント

詳しいしわっかりやすい

投稿: | 2008年9月17日 (水) 21時15分

>詳しいしわっかりやすい
ありがとうございます。

投稿: JUN | 2008年9月19日 (金) 02時09分

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