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2008年9月 7日 (日)

[考察] 超鈴音がもたらしたもの

 最近はちょっとフェイトの考察に偏りすぎましたが
 『フェイトの目的はエクソダス阻止』は成り立つか?
 超の目的は対フェイト戦の予行演習か
 フェイトの目的は魔法世界全土への強制完全魔法無効化を検証する
 フェイト・パーティにいるもう一人の神楽坂明日菜
 も本題に戻して議論したいと思います。

 前回までは、フェイトたちが世界規模の魔力をかき集めて何かをしようとしているという状況が超のときの状況に似ていることから、フェイトの目的は全世界規模の完全魔法無効化であると推理しました。そしてそのためにもう一人の明日菜とも呼ぶべき完全魔法無効化能力者が、フェイト・パーティにいるかもしれないということを述べました。最悪の場合、その完全魔法無効化能力者は明日菜のクローンであるかもしれませんが、そうでなくても、例えば明日菜に生き別れの兄弟(^^; がいたとしても、あるいは全く無関係な赤の他人だったとしても、彼または彼女がもう一人の明日菜とも呼ぶべき立場のキャラであることには変わりありません。
 もっとも、私自身は明日菜に兄弟がいる可能性はほとんどないと思っています。もし彼女に兄弟がいて、それが完全魔法無効化能力を備えていたとすれば、20年前の大戦で明日菜とともに担ぎ出されていないはずがないからです。もしそうだとしたら、なぜナギ・パーティが明日菜と一緒に彼または彼女を一緒に連れ出さなかったのかという問題が生じてしまいます。原作にそれをほめのかすシーンが登場していない以上、明日菜に兄弟はいないものとして考えます。

 そして、フェイトが彼または彼女の持つ 「世界の魔法を終わらせる神代の力」完全魔法無効化で魔法世界に破滅をもたらそうとしていることを、ネギたちが知ったらどうなるか。フェイトの事件がどのように展開するにしても、その力の本来の持ち主である明日菜は、そこにいるだけで危険な存在となってしまうのです。

 

 そうとでも考えないと、王族でありながらほとんど軟禁状態……いえ、拘束状態にあったアスナ・ウェスペリーナの境遇の説明がつきません。

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 いくら戦時中だからといって、王女であるアスナ姫の両手を鎖につないで、魔法装置の塔に縛り付けておくなど、王宮の住人が考えることではありません。それは、生まれながらに世界を終わらせる力をもった彼女を自由にしておくことは、たとえ王族であっても認められなかったと考えることができます。おそらくは国王陛下自身が黄昏の姫巫女であるアスナを拘束することを認めていたのでしょう。つまり、それほどまでにアスナの完全魔法無効化能力は「危険な力」とみなされていたのです。

 そしてフェイトの事件が終わったあと、フェイトたちが完全魔法無効化能力で世界中の魔法を消去してしまおうと企んでいたことを魔法世界の国々が知ったならば、そして明日菜自身が完全魔法無効化能力者──黄昏の姫巫女であると知られたならば、魔法世界の国々はどうするでしょうか。おそらく、自分たちで明日菜を保護あるいは監視をしておきたいと考えるはずです。当然でしょう。実際に完全魔法無効化能力で世界が破滅の危機に陥る実例を見せ付けられるわけですから。魔法世界が自分たちの世界の秩序と安寧を守るためならば、ネギたちのパーティやら1魔法組織やらに預けるのではなく、自分の手元で監視したいと考えるはずです。

 そして、魔法世界の破滅と秩序がかかったこの要請をネギたちが受け取ったならば、ネギは魔法世界に明日菜を引き渡すことを認めるのでしょうか?

 もちろん、そんな要請は突っぱねて明日菜と一緒に麻帆良の日常に帰るべきだ……と答えるのが筋なのですが、超鈴音事件を経る前のネギだとそこのあたりが実は怪しいのです。

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 これは、超鈴音事件での夕映との会話で、魔法バレで学園を去ることになることに対するネギの返事です。超の計画がより多くの世界の人たちを救えるのなら、自分たち麻帆良の魔法使いはそれを敢えて受け入れるべきではないのか。夕映との問答でネギはそう答えているのです。
 結局ネギは、夕映の感情を伴ったビンタで正気を取り戻すわけですが、これはネギが魔法使いの大儀を重んじるあまりに、身の回りのことを忘れて地に足の着かない思考に陥りやすいことを示しています。

 おそらく、超鈴音事件を経ていない本来の歴史でのネギは、本心では明日菜を渡したくないと思いながらも、要求に応じて明日菜を魔法世界側に引き渡してしまった。そういう経過を辿ってしまったのではないでしょうか? そしてネギは、魔法世界の本義を忘れない偉大なる魔法使い(マギステル・マギ)の称号を得て魔法界からの尊敬を一身に集めながらも、心の奥底では明日菜を引き渡したことに対する後悔の念を抱きながら残りの人生を過ごしてきたのではないでしょうか。
 超鈴音は自分の先祖にして尊敬する偉大なる魔法使いの、そんな後悔に満ちた人生を知ってしまった。そしてその過ちを正すために未来からやってきたのではないか。そういう想像が膨らんでなりやまないのです。

 その場合、超鈴音がおこなった「より多くの人たちを救うために魔法の存在を世界にバラす」計画は、「善でもなければ悪でもない戦い」をネギに仕掛けることでネギのこれから犯す過ちを防ぎ、考えを改めさせるためのものだったということができます。もちろん、超が本気でやらなければその思いはネギには届かないし、また力及ばず超に世界改変を許すようなことがあれば、到底フェイトの事件でも不覚をとることもありうるでしょう。だから超も本気でやっていました。それに超に魔法バレを許してしまえば、当然ネギの魔法使いの修行はそこで終わりです。そうなればネギ自身がフェイトの計画に相対することだってあり得ませんでした。偉大な魔法使いになるという夢こそ破れますが、ネギは後悔に満ちた半生を過ごすこともなくなります。

 そしてネギ自身は、それを知ってか知らずか、超の事件をとおして自分たちが善だけではいられないことを思い知ります。

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 正直10歳の悟りではないと思うのですが、このネギの心境の変化があったからこそ、ラカンとの修行で闇の魔法(マギア・エレベア)を選択できたのです。超の事件がなかったら、おそらく父親の後を追うことを優先して光の道を選んだことでしょう。
 そして、この先に待ち受けていると予想される明日菜の引き渡し要求でも、例えそれが世界に危険をさらすことだと分かったとしても、明日菜と一緒にいることを選ぶことになると思います。そしてそれこそが、

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 世界を終わらせる能力をもった少女と知りながら、その子に幸せを与えるためだけに黄昏の姫巫女を、アスナを連れ出したナギ(とその仲間たち)の後を追うことであり、

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 ラカンがネギに託したことでもあるのだからです。

 

 最後に、この考察が抱える致命的な弱点に言及することで、本論を終わらせたいと思います。

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