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2008年8月21日 (木)

[考察] ネギま!の終わりある日常

 フェイト先生! 前回私があなたの計画にとって明日菜とは、「いなくても支障はないが、いればより計画を確実に遂行できる存在」だと断じたそばから、「お姫様(=明日菜)はあきらめよう」(223時間目)などと言わないでください。また予想が当たったかと増長してしまうではないですか!
 今週号のマガジンでフェイトの目的が判明しましたが、勘の鋭い読者ならフェイトが「どうやって魔法世界を破滅させるのか」は大体読めているのではないかと思います。今までの伏線を丹念に拾ってみると明らかにこれ以外にはないと思うのですが、この考察には関係ないので省略。きっとどこかの考察サイトが発表してくれるに違いない。

 というわけで、仕事が忙しくてなかなか記事をまとめることができませんでしたが、ネギま!のもう一つの主題=3-Aの日常を守ることについて述べた考察
 [考察] ネギま!のもう一つの主題
 [考察] キャラクターものにだって主題はある
 [考察] クラスメート編が描いてきたもの
 [考察] ネギま!がネギま!であるために
 [考察] 亜子と夕映は麻帆良に帰れるのか
 [考察] 魔法は日常を破壊するのか(番外編)
 [考察] 明日菜が帰れなくなる理由
 のまとめに入りたいと思います。

 前回私は、フェイトの事件を無事解決しても、明日菜には魔法世界の亡国の王女という立場から麻帆良に帰れなくなるという予想をたてましたが、アップしてしばらくしてから、これはちょっと書きすぎだったのではないかなと思いました。確かに魔法世界側が明日菜を引き止めるという展開はありうるかもしれませんが、いったん麻帆良に帰って日常を取り戻してから、明日菜の立場が3-Aの日常を危うくさせるというような展開も面白そうかなと思ったのです。

 
 なんだかんだでフェイトの事件を阻止したネギま部(仮)こと白き翼。濡れ衣も晴れて麻帆良に帰還することになったが、明日菜の正体も魔法世界全土に知られてしまう。クラスメートたちは今までのように明日菜に接してくれるが、明日菜本人は自分の立場の急変に混乱してしまう。あやかなど居残り組に事情の説明ができないままに2学期が始まるが、麻帆良学園は魔法世界からの留学生がやってきていた。目的はもちろんいまや世界級のVIPとなった明日菜の身の保全。今までと同じ日常を過ごせなくなった明日菜は、3-Aとの関係もギクシャクしていく……

 ううっ、こういう展開も確かに面白そうですが、「ネギま!」本来のドタバタした楽しさからはかけ離れてしまってます。第一こんな展開は読んでてストレスが溜まってしまう。赤松先生はどんなにシリアスなテーマでもいったんはギャグに落とすことを欠かさないので、読者にストレスを与える展開はできるだけ避けようとしてくれると信じています。
 (美空の懺悔室とか、ラカンの闇の修行とか)

 ただ、ここまでネギま!の世界観が拡張してしまうと、再びネギ先生と31人のクラスメートのドタバタコメディーに話を戻すことができるのかという心配もあります。
 例えば、作品が古いのですが、「キン肉マン」(初代)は当初ダメ超人とダメ怪獣によるヒーローものギャグでした。しかし超人オリンピックが始まってから話は急速に超人プロレスの方に傾きだしてしまいます。それからずっと正義超人対悪の超人によるプロレスものだったわけですが、実は一時期だけ、アメリカ遠征編が終わったころからヒーローギャグに話を戻そうとした時期がありました。人気が低迷したのかすぐに第2次超人オリンピック編が始まり、それからはずっと超人プロレスものになったのです。
 確か「ラッキーマン」もそうだった記憶があります。当初は地球を襲撃する宇宙人を、ツキだけで撃退するだけの話だったのに、途中でよっちゃん編という宇宙をまたにかけた大シリーズが始まってしまいます。それが終わったら新たな仲間を加えてまた地球で宇宙人撃退という話に戻ったのですが、すぐにさっちゃん編という大シリーズが始まってしまいました。
 バトルものは戦闘がエスカレートする傾向があるので、いわゆる「強いやつのインフレ」が起きやすいのですが、いったん強さがインフレを起こしてしまうともう前の段階には戻れないという悲劇もあります。強さのインフレが起きるというのは、それだけ世界観の拡大が起こったということでもあり、いったん世界観が拡大すると、もう前の世界には戻れないのです。
 もっとも、この世界観の拡大と強いやつのインフレを意図的に繰り返して大成功を収めたのが「ドラゴンボール」でした。あれも1つの強敵を倒すと世界観が拡大を起こしてその世界観における最強がやってくる……を延々と繰り返して長寿連載を達成したのです。
 またその世界観の拡大と強い奴のインフレを、主人公交代という荒業を繰り返してリセットをかけているのが「JOJOの奇妙な冒険」です。ただあれもスタンド・バトルを繰り返すうちにルールの複雑化という別のインフレを起こしてしまったので、今度は世界そのものをリセットしてしまいましたが。

 そしてその作品の世界観の崩壊の危機を乗り切って3-Aの日常を守ったとしても、今度は別の問題が発生します。それは「ネギま!」が学園ものである限り、必ず訪れる終わりの日『卒業』です。
 もともとネギの修行は「日本で先生をやること」であり、特に期限を切られたものではありませんでした。しかし普通に考えるなら、ネギに3-A(2-A)の担任をあてがったということは、彼女たちが無事卒業するまでが修行の内容であると考えて間違いないでしょう。そして連載が長期化するにあたり、作中の時間の流れはだんだんと遅くなってしまっています。麻帆良祭編なんか、たった3日の内容に10巻~18巻の82話分を消費してしまっています。
 しかしそれでも、この作品では時間が永遠にループしているわけでも3年生を繰り返しているわけでもなく、遅々としながらも前に進んでいるのです。そしてその時点で、ネギ先生と31人のクラスメートの話は終わりを告げるのです。逆に言えばそれが来るのを遅らせるためにも、作中の時間の進め方を遅々としているとも言えるでしょう。
 ひょっとしたら卒業を迎えても、ネギ先生はまた別のクラスの担任を受け持って修行を続けるのかもしれません。
 麻帆良学園は一貫校であることを利用して、クラス全員で同じ高校(本校女子高等部?)に進学して、そこでバカ騒ぎを続けるのかもしれません。
 もしかしたらクラス全員でパーティを組んで、再び魔法世界へ冒険に旅立つという展開もアリでしょう。
 しかしそれはもう、明日菜たちの守ろうとした3-Aの日常ではないのです。確実に来る卒業というタイムリミットが存在するのです。

 ネギ先生と31人のクラスメートが引き起こすドタバタコメディーは、終わりある日常なのです。
 そんな限りある日常だからこそ、その一瞬一瞬を明日菜たちは大切に守っているのです。

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