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2008年7月 9日 (水)

[考察] 千雨はなぜ魔法世界編のメインヒロインになれたのか

 [考察] ネギま!の本筋とは何か?
 [考察] 魔法世界編は本筋をないがしろにしているのか
 [考察] ネギま!に不可欠な亜子の物語
 の続編です。

 前章までは亜子編のようなクラスメート編がネギま!には決して欠かせないものであることを説明し、だからこそネギたちだけの物語になるはずだった魔法世界に亜子たち運動部+1が押しかけてきたことを説明しました。(追記あり)
 今回からはもう少し別の視点から見ていきたいと思います。

 さて、いきなりだけど宣言します。魔法世界編のメインヒロインは長谷川千雨であると。

 本来ネギの物語において、メインヒロインは神楽坂明日菜のはずでした。ネギが魔法使いであることを一番最初に知ったのは明日菜でしたし、ネギの最初のパートナーも明日菜でした。ネギが父親探しをするにあたって最初に誘ったのも明日菜でしたし、ネギの父親探しを手伝うために、ネギま部(仮)を設立したのも彼女でした。本当なら、ネギの背中を後押しして、ネギの無茶を引き止める役割は明日菜のものなのです。
 ところが実際には、ラカンとの修行でも明らかなように、魔法世界でネギの背中を後押しし、ネギの行き過ぎを引き止める役割を果たしているのは千雨なのです。

 これを魔法世界編の序盤で、ネギと明日菜が散り散りにされたからという展開上の理由に求めるのは簡単です。しかし問題は、なぜネギと明日菜がバラバラにされなければならなかったのか、そしてなぜ、明日菜の代理ヒロインとして千雨が抜擢されたのかという事実そのものにあるのです。さらに言うなら、千雨が単なる明日菜の代理ヒロインなら、明日菜との合流を果たした今、千雨の役割は終わったはずです。しかしネギが、亜子の告白で最初に相談しているのは明日菜ではなく千雨であり、ラカンとの修行を見守っているのもやっぱり千雨なのです。すなわち、千雨のヒロインとしての役割はまだ終わっていません。これは一体どういうことなのでしょうか?

 明日菜は後に述べるとして、千雨の理由を先に述べます。千雨はすでに、自分を主役とするクラスメート編の物語をほとんど消化しきっているのです。

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夕映から見ても千雨は孤立していた

 千雨はもともと、人付き合いが苦手であり、クラスメートの中でも孤立しているという設定がありました。そんな彼女が活躍の場を求めたのがネットの世界であり、ネットアイドルとしてのアイデンティティだったのです。

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 ところが千雨は、ネギに絡まれることによって表に出ることを強要されます。一人ではコスプレ大会の舞台に立つ決心すらつかなかった千雨が、夏のコミケでコスプレイヤーとしてデビューすることができるようにまでなれたのは、本人もいうとおりネギがそのきっかけなのです。

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 その上で千雨は、ネットアイドルとしての活躍をむなしいと感じ始め、ネギとの魔法世界行きに自分の意思で参加し、他のクラスメートを仲間であるとまで主張するようになっています。

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 つまり千雨の抱えていたクラスから孤立した少女という問題は、魔法世界編が始まるまでには既にそのほとんどを解決してしまっているのです。今の千雨はクラスメートを仲間と認識しているし、クラスメートの誰から見ても立派に仲間の一人なのです。千雨がそこまで変わることができたのは明らかにネギと関わるようになったからで、千雨もまたネギによってそのあり方を変えられたクラスメートの一人なのです(本人がそう自覚しているか否かは別にして)。

 もともと「ネギの父親探し」を本筋とするネギま!の物語のなかで、ヒロインの果たすべき役割は、一人でいるとどこまでも無茶をするネギを支え、ときにはその背中を後押しし、ときには強引にでもその無茶を引き止めることでした。いわば、ネギの代わりにネギの行き過ぎを判断するお目付け役ですし、実際にネギま部(仮)はそれを目的として設立されました。

 そんな重要な役どころを果たすには3つの条件が必要です。

 1つ目はネギからそれにふさわしい信頼を寄せられていること。
 2つ目はネギの事情を真剣に考えた上で引き止めることができること。
 そして3つ目は、当の本人がネギに優先する問題を抱えていないことです。

 そうなってくると、まずノリと勢いでついてきた朝倉とハルナは外されます。彼女たちはお目付け役どころか、ノリでそのままアクセルを踏み続けてしまう恐れがあります。性格に軽い一面があり逆境に弱い木乃香も無理でしょう。刹那はネギのことを真剣に考えてくれる点で問題はありませんが、彼女には木乃香の護衛というネギより優先しなければならない立場を抱えています。
 そして当の明日菜ですが、彼女には自分でも知らない正体という、これからどう転ぶか分からない問題を抱えています。その点千雨なら、ネギとの関係を通してネギにその判断の一部を任されるほどの信頼関係を結んでいますし(他にそれを任されているキャラは、カモを除くと明日菜と夕映しかいない)、彼女自身が抱えている問題は今のところありません。ロボットであるがゆえに押しの弱い茶々丸と違っていざと言うときの押しの強さも十分です。結局、明日菜以外でネギのお目付け役にふさわしいのは千雨ということになるのです。

 それでは逆に、自分の物語を持っているとどうなってしまうのかを次回説明したいと思います(アニメ感想があるから2~3日後に)。

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