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2008年7月22日 (火)

[考察] 承認するヒロインたち

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 [考察] 魔法世界編は本筋をないがしろにしているのか
 から始まる一連の記事では、ネギま!におけるヒロインとはネギの背中を後押しし、ネギの無茶を引き止める者だと定義して、その例として3人のヒロイン、明日菜・夕映・千雨について説明しました。それはこの3人が魔法世界編で活躍しているからという事実もあるのですが、もう一つ、私自身に今一番ネギま!のヒロインにふさわしいのはこの3人ではないかという考えがあったからです。

 もちろん、ネギま!には31人のクラスメート全員がヒロインである、というウリ文句があります。その意味ではのどかも刹那も亜子もエヴァもあやかもまき絵もみな平等にネギま!のヒロインです。
 それを承知した上で、その上でなおネギま!をネギの物語とみなした場合、この3人には他のヒロインにはない共通項があるのです。

 それは、
 ネギが何か重大な決断をしたとき、それを承認する役割を果たしたことがある
 という事実です。

 原作18巻、ネギが父親の後を追うために一度ウェールズへ帰ることを決めたとき、真っ先にその了解を取り付けに言ったのは明日菜でした。

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 ここでで重要なのは、夏休みに一度ウェールズへ帰るというのは、ネギの中では既に決定事項だったということです。もしここで明日菜が帰ることに反対したとしても、それでもネギは父親を追うためにウェールズへ帰ったことは間違いありません。その意味では、ネギが明日菜に了解を取り付けることは意味がないことと言えなくもありません。しかしそれでもネギは、まず明日菜に了解を取り付けに言ったのです。

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 そして明日菜も、そのネギの気持ちを汲んだからこそ、ネギの決断を承認します。そこにはネギの、自分の決断を決して無碍にはしないという明日菜に対する信頼が垣間見えますし、明日菜自身もそれに応えています。実際明日菜は、ネギま部(仮)設立やあやかにナギ調査を頼むなど積極的に父親探しに協力する態度をみせていました。

 

 夕映の場合は、麻帆良祭3日目、火星ロボ軍団VS学園防衛魔法騎士団が該当します。超のしかけた善でもなければ悪でもない戦いに、ネギの心は迷いを孕んでいました。もちろん理屈では、ネギも超を止めるべきだということは分かっています。そこでネギが最後の一押しを頼んだ相手が、夕映でした。止めるべきか止めざるべきかを夕映に相談したのではなく、既に超を止めるべきであるという結論があって、その上で止めるべき理由を相談しているということです。

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 最初夕映は、超の計画が間違っている論理的な理由を挙げていくわけですが、夕映が持ち出した理由はことごとくネギ本人によって否定されていきます。そして、ネギ自身が自分の日常を否定する発言をしたとき、夕映は感極まってネギを叩いてしまいます。

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 結局、あの場面でネギが求めていたものは、夕映がもっとも得意とする論理的思考ではなく、もっとも苦手とする感情の発露でした。自身の迷いを振り切るためにそれを求めるのはネギの夕映に対する甘えですが、感情を苦手とする夕映だからこそ自分たちのために日常を守るという感情が説得力を持つことになります。世界を救うことと日常を守ることが対立するギリギリの状況下で、なお夕映がもっとも苦手とする行動を求める。それができるほどにネギは夕映を信頼していたのです。

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 そして夕映も、ネギの日常を守るために悪を成すという決断を、自分たちのものとして承認するのです。その決断は悪の役割の肯定という、ネギの今までの価値観を書き換えてしまうほどの重いものでしたが、夕映はそれを受け止めることができたのです。

 

 千雨の場合、最大の決断を求められたのは「闇の魔法(マギア・エレベア)」です。フェイトに敗れて散り散りにされてしまい、仲間を集めて現実世界に帰還するにもフェイトの妨害が予想される状況で、なおかつネギとフェイトの間には6倍の実力差がありました。手っ取り早くフェイトに対抗するには、ラカンのお勧めどおり闇の魔法を身につけるしかありません。しかし今まで、父親の後を追ってきたネギにとっては得意とする魔法は光・風・雷であり、闇の魔法は今までと方向性が違う。さらに闇の魔法を身に着けるには多大なリスクがあると言う状況です。
 今までネギは、まほら武道会やら超事件やらで学んできたことは1人で何事もやろうとするのではなく仲間の信頼に応えろというものでした。ここで闇の魔法を身につけることは、ある意味今まで学んできたことを否定することでもあります。それでもネギは、仲間を助け父親の背中に追いつくために敢えて闇の魔法を身につけることを選択します。
 ネギにとって、この時点で闇の魔法を選択することは決定事項でした。しかし、それでもネギは最後に千雨にその承認を求めたのです。

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 そして千雨はその承認した責任に答え、ネギが精神世界で闇の魔法の習得に励んでいる間、外側からネギの肉体の看病をしました。ネギが闇の魔法を習得できるか否かの判断をラカンに押し付けられたときも、もうダメだというギリギリの時間帯まで待ち続けました。最後の最後にネギの修行を中断させようとしたときもそれは千雨なりのギリギリの判断であり、千雨はその責任を十分に背負う覚悟だったに違いありません。

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 つまりネギは、闇の魔法の習得の見届け人に千雨を選んだということです。それほどまでの信頼を千雨に寄せていたということでもあります。

 このように、3人のヒロインにはネギの決断を承認するという役割を果たしています。それはその時々の状況において、その場に居合わせたのが夕映や千雨しかいなかったということでもありますが、それでも物語的に言えばなぜ夕映や千雨に承認を求める展開にしたのかという点においてはあまり違いはありません。
 ネギのヒロインであるということは、ネギの重大な決断を承認することができるものということでもあるのです。

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