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2008年6月 8日 (日)

xxxHOLiC◆継 第10話 「不戻 キヅキ」 (6/5)

 嘘をつく霊能師の烙印を押された小羽。嘘つきとの世間のバッシングを受け、母親からは水ごりと苦行をさせられる彼女を、四月一日は引き取ることになる。

 原作とはまた違った終わり方になりましたが、小羽ちゃんの話に一定の決着がつきました。やはり少女の霊視は他の4人を上回っていて、画像に写っていない家の壁に埋められた白骨死体の霊を見ていたわけですね。最初はバッシングしていたマスコミや世間が、白骨死体が出てきた途端に掌を返したように態度を改めたことについては、何も言うことなし。人格も描かれていない端役を非難しても仕方ないし、なによりマスコミや霊能師たちは作中ではロールを演じているだけだから。

 小羽の失態を穢れに触れたからだと決め付け、水ごりをさせる母親の狂態ぶりには参りました。原作者でシリーズ構成にもかかわっているCLAMPの大川七瀬の力でしょう。ああいう思い込みと猜疑心の強い女性をうまく描けるのは凄い。見かねた四月一日が小羽を引き取ると宣言したときの「変わった子」とか「もう飽き飽き」とかというセリフもやけにリアル。自分の非を認識できず人に当り散らすことしかできない人間の心理をうまく描いている。

 その母親が戻ってきた小羽と四月一日の夢風船の力で、憑き物が落ちたように人柄が変わりましたね。1日おいたから頭が冷えたのか、もう止めにしようという小羽の言葉にも耳を貸すようになったからか。結局小羽の力が金儲けに結びついたため、その私欲に母親自身が振り回されていた。そんな悪い夢から覚めたのでしょう。以前の母親なら、小羽の霊視が正しいと判明した時点でまた自分が正しかったのだと狂笑をあげたはずですので。

 「xxxHOLiC」の世界観の中では、小羽と母親はめずらしくハッピーエンドで話を終わりました。それは四月一日の夢風船の力もあるけど、それ以上に侑子が言っていたように彼女自身に物事を選ぶ強さが宿っていたから。侑子の店でバッドエンドに終わる客が多いのは、彼女たち自身に自分で物事を選びとる力がなかったから安易に流されたことが多いのでしょう。意志の強さが人を幸せに導く本当の強さであるという価値観は、CLAMP作品が共通に持っているテーマでもありますしね。

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