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2008年6月13日 (金)

[考察] 「魔法先生ネギま!」が持つ構造的な問題

 [考察] ネギま!のテレビ化はなぜ失敗するのか
 の続編です。

 ここで問題です。
 原作版「魔法先生ネギま!」の主題(テーマ)は何でしょうか?

 またも網創漠蓄さんの記事
 二人のネギと…
 から引用させていただきますが、原作のネギの行動原理は

実はそもそも、ネギの中では
「偉大な魔法使いになること」で父親を追いかけようとしていたから、である。

「父親を追いかける」が主・本音で
「偉大な魔法使いになる」が副次的な目的・建前になっている。

 と指摘されています。
 つまり原作版ネギま!においては、ネギの父親探しこそが主題であり、本筋なのです。

 なのですが、作中にてネギが本格的に父親探しに出るのは原作の19巻以降であり、夏休みに入ってからです。18巻までの物語は、ネギがやはり父親をあきらめることはできないと確認するところで終わっています。

Negima_ron0105

 ではそれまでは何をやっていたかというと、ネギの父親探しという要素は伏せ筋としてときどき思い出したように挿入しながらも、ほとんどの話ではエヴァンジェリン編や木乃香・刹那編ともいうべき修学旅行編、超鈴音を描いた麻帆良祭編など、クラスメートを中心としたエピソードを描いていました。

 ある意味、これは当たり前です。そもそも原作の「魔法先生ネギま!」は、10歳の子供先生が女子中学生の担任になるというドタバタコメディから始まっています。そしてクラスメート31人が全員ヒロインであり、各ヒロインにキャラ設定が最初から作りこまれていることが最大のウリとなっていました(名簿ネタなんかはその最たるものですね)。だから本筋であるところのネギの父親探しのエピソードがあまり進展しなくても、クラスメートの一人一人を中心にしたエピソードを順次展開していくだけで話が膨らんでしまうのです。

 ちなみに2008年6月(単行本23巻相当)の時点でエヴァ、木乃香、刹那、超のエピソードをほぼ消化しきっています。現在は夕映と亜子のエピソードがもの凄い勢いで消化されつつあり、また明日菜のエピソードがこれから展開するところでもあります。ただヒロインの数が多い「ネギま!」ではあるキャラが自分を主役とするエピソードを消化しきったとしても、そのまま他のキャラのエピソードにおける脇役の位置に納まることができます。たとえばエヴァは現在ネギの魔法の師匠にしてネギ・パーティの名誉顧問という立ち位置に落ち着いており、刹那は明日菜の剣の師匠であり相棒の位置に納まっています。超だけは途中退場を余儀なくされたのですが、彼女の場合はその能力が万能過ぎて使いづらいところがあるし、もしかしたらまだ後の方に超を主役とする展開が用意されている可能性があります。

 つまり原作版「魔法先生ネギま!」は
 「10歳の子供先生が年上の女の子たちに振り回されるドタバタコメディ」という形式・舞台の上に
 「10歳の少年が父親の後を追いかける少年冒険譚」という本筋・主題が隠されている
 二重構造になっているのです。

 ところでここからが問題なのですが、このネギの父親探しという本筋はもともとがネギ個人のものであり、基本的にヒロインであるクラスメートたちとは何の 関係もありません。さらにネギが本格的に父親の足跡を追いかけ始めると、京都に移動したりウェールズを経由して魔法世界を訪れたりと本来の舞台である麻帆 良学園から離れていってしまいます。実際には明日菜はナギの失踪に関わっているっぽいですし、エヴァはナギと直接の面識がある関係者でもありましたが、 18巻までの時点では明日菜は魔法事件に巻き込まれて関わった一般人という立ち位置だったし、エヴァは麻帆良学園都市から出ることができないためここでは 無視します。ネギ自身もそのことを自覚しているのか、魔法の世界は危険だからという理由を建前にして本来父親探しに関係のないクラスメートたちが関わって くることを歓迎していませんでした。

Negima_ron0106

 つまり本来のテーマであるネギの父親探しが表面化するにつれて、麻帆良学園を舞台にしたドタバタコメディという「ネギま!」の(表面的・建前的な)最大のウリから離れていってしまうのです。
 これが原作版「ネギま!」が抱える構造的な問題なのです。クラスメートの話はどこまでいっても脇筋であり、それをいくら積み重ねても本筋とは何の関係もありません。作品の形式・舞台と本筋・主題が乖離しているためにこのような問題が起こるのです。

 本項は長くなってきたので以下後日。
 金曜日はアニメ感想が2本あるので、2~3日後になります。

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