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2008年6月17日 (火)

[考察] ネギま!のテレビ化はなぜ別物になってしまうのか

 [考察] ネギま!のテレビ化はなぜ失敗するのか
 [考察] 「魔法先生ネギま!」が持つ構造的な問題
 [考察] クラスメート編はネギの父親探しにとって「無用の用」
 の続編です。

 これまでは原作版「ネギま!」の作品構造が、
 「10歳の子供先生が年上の女の子たちに振り回されるドタバタコメディ」という形式・舞台と
 「10歳の少年が父親の後を追いかける少年冒険譚」という本筋・主題の
 二重構造になっていることを指摘しました。
 ただし、伏せ筋であっても本筋はあくまで「父親探し」の方ですので、「ネギま!」を描くということは、そちらをきちんと描く必要があります。

 ところが、「ネギま!」の建前上のウリは子供先生とクラスメート31人とのドタバタコメディであり、31人ものヒロインの描写をないがしろにするわけにはいきません。しかも「ネギま!」の構造では本筋であるネギの父親探しを描こうとすると、どうしてもクラスメートたちの影が薄くなってしまいます。
 それに「ネギま!」の本筋は非常にテーマが重く、主人公ネギの自省的な性格ともあいまってそのままでは描写が重くなっていく傾向にあります。私が原作版「ネギま!」でいつも感心するのは、どれほどシリアスなシーンになっても常にギャグやエロシーンを入れてライトな描写にすることを忘れていないということです。クラスメート31人とのドタバタ騒ぎは、「ネギま!」の持つ重いテーマを隠蔽して話を軽くみせていることに一役買っていることは間違いありません。

原作第18巻165時間目
 ネギの重い悩みが軽く描かれた例

 しかし、こういう構造を持つ「ネギま!」をいざアニメ化、ドラマ化しろと言われた場合、それがどれほど困難かは想像するに余りあります。

 「ネギま!」の本筋はネギの父親探しである。しかし、表面的にはクラスメート31人とのドタバタコメディという萌え要素がウリの作品であり、しかも本筋を辿る前にはクラスメートたちとの交流を描いて話を積み重ねることが必要不可欠である。

 これを2クール26話で描けと言われても無理だと思いませんか?

 こんな特徴を持った原作マンガをテレビ化する場合、一番良いのは敢えて放送期間を定めずに開始し、途中で打ち切られることは考えずに原作エピソードを順序良く放映することでしょう。「るろうに剣心」や「犬夜叉」が平日のゴールデンタイムでやっていたことですね。それはさすがに無理としてもせめて「ハヤテのごとく!」や「鋼の錬金術師」のように1年かけて放映し、前半はクラスメートとの交流を描いて信頼関係を熟成し、後半ではネギの父親探しを中心に描いていくというのがふさわしいやり方だったと思います。

 ところが、「ネギま!」にとって表面上のウリはあくまで萌え要素であり、また萌えとエロは(ライトなものではあるが)赤松マンガには欠かせない要素でもあります。それを考えるとゴールデンタイムや日曜朝10時にふさわしいアニメになるとはとても思えません。実際、アニメ第2期はゴールデンタイムで放送されましたが、「ゴールデンで見たいアニメではない」という不評があったと聞きます。

 しかしオタク相手の萌えアニメとして放送する場合、その1期は最長でも2クールで放送するというのはアニメ化の際の不文律のようになっています。テレビアニメを販促としてDVDで利益を回収するというのがオタク相手の商売ですので、それ以上長期に渡って放送すると、DVD化した場合に手ごろに購入することが出来なくなるという問題があります。

 そこで第1期、第2期、ドラマ版では、話を2クール26話に収めるために、それぞれ原作に対してかなり大胆なアレンジが施されていました。
 明日からは、それについて述べる予定です。

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