図書館戦争 状況一○ 「里帰リ、勃発」 (6/12)
茨城の県立現代美術館で行われる県展の護衛に赴くことになった図書特殊部隊。しかしそこは、郁の故郷の半径5km圏内だった。
── と、今回の茨城県立図書館の惨状は、非武装中立による平和主義を推し進めた戦後日本の姿を露骨に戯画化したものですね。防衛部が業務部に押されて肩身の狭い思いをしているのは、自衛隊が正式には軍隊とされておらず、反戦運動の抗議を受けている歪みのようなものを模した姿でしょう。館長は良化隊との対話路線を進めているようですが、検閲のためなら武器を使うことも厭わないメディア良化隊を前に、どんな対話が成り立っているのか。それでも万一良化隊が攻めてくるという状況を、全然想定していないのではないか。図書館戦争の世界観で、どんな無抵抗主義が成り立っているのか、むしろ良化委員の検閲を唯々諾々と従っているからこそ、良化隊が攻めてこないのかという疑問がつきない。この茨城第一図書館側の態度で一番の問題は、普段冷遇している防衛部に、いざことが起きたら命を懸けて自分たちの図書館を守れと言えるのか。おそらくそんな事態は想定すらしていないのでしょう。
県展の最優秀作品が、タイトルが「自由」でメディア良化隊の破れた制服を飾ったもの。意味はおそらく、表現の自由はメディア良化隊の検閲を破った先にあるということ。これは明らかにメディア良化隊にケンカを売っている。当然良化隊が攻めてくることを想定しなければならない状況なのですが、見たところ県立第一図書館と現代美術館は館長が違う別組織のようで、図書館長側は美術館長側に余計なことをしてくれたものだと思ってるのでしょう。しかし図書館長側の対話路線では県展の中止か最優秀作品の取り下げになるに決まってるし、それを認めたらメディア良化隊の検閲に屈したという事実が残る。図書特殊部隊側もそれは許せないはず。そんな事態になった場合、図書館長側は防衛部が役目を果たせなかったから(=私は悪くない)と難癖をつけて、さらに待遇を悪くさせるのでしょう。
とはいえ、ここまで露骨に現代日本の自衛隊と反戦平和運動を揶揄しなくてもいいのではないか。
県立図書館側の業務部の嫌がらせで、母親に防衛部のことがばれてしまった郁。無理矢理引きずりかえろうとする母親とケンカする郁ですが、堂上のアドバイスで父親と交えての家族会議で決着をつけることになりました。ここで母親は娘に、娘は母親に嫌われていると思い込んでいたことが判明。お互い本音を話したことにより、雨降って地固まるという結果になりましたね。
そして郁は、業務部の女子にケンカを売る。点検警備に対する重大な妨害として、関東図書基地に報告すると。図書館よりさらに上の図書基地の査定評価までもちだされて意地悪を仕掛けられるほど、度胸のある女子はいなかったようです。玄田隊長が図書館長側に責任を問うと言っていたのも、(防衛部である郁の家族を巻き込んでまでの)点検警備妨害を放置していたことを指しているのでしょう。
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