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2007年2月28日 (水)

[デジタル放送] コピーワンスはデジタル放送の夢を見るか

 最近時間が過ぎるのが早くなってしまいました。

 会社の仕事が早く終わって帰ってきても、アニメを見て感想を書いて、漫画やライトノベルを読んで、インターネットでホームページを巡回し、さらにゲームを楽しむとあっと言う間に時間は深夜になってしまう。テレビアニメだけで週50本やっているのに、ゲームも漫画もライトノベルも、それぞれ沢山発売されているので、面白いものを探して手に取るだけで大変です。その上さらに、インターネットは定額制でよほど怪しいサイトを回らない限り余分な課金はかからないので、ネットサーフィンをやってるだけで時間が過ぎていく。外に遊びに行くお金が無くても、現代人は面白いことへのネタは尽きません。よほど意思を持って使わないと、ただ無為に時間だけが過ぎている状態にもなりかねない。

 ああ、一日が48時間ぐらい欲しい。

 というわけで、デジタル時代のビデオキャプチャーの続きです。

 前回私は、パソコンでビデオキャプチャーを続けたいものの、地上デジタル時代では事実上パソコン録画から編集することはできないと書きました。その理由はコピーワンスです。
 私もいろいろネットで調べましたが、コピーワンス推進論者の主張は究極的にはこの一点に尽きます。それはすなわち「著作権の保護」です。
 ああ、正しい。全く以って正しいです。確かに著作権は守らなくてはいけない。誰に聞いても百人が百人そう答えるでしょう。

 一般論としては。

 では著作権を守るためにコピーワンスをかけてさえしまえば、コンテンツ産業は今まで以上に繁栄するようになるのでしょうか。

 著作権を守ることと、コピーワンスによってコンテンツ業界がどのような変化を遂げるかは別問題です。コピーワンスで疑問に思っていることは、テレビ局を始めとするコンテンツホルダー側が、コピーワンスによってどのようなビジネスモデルを打ち立てているのかが全然見えてこないのです。

 仮に、コピーワンスが完全に働いた世界というものが実現したとします。
 ユーザーは録画したコンテンツの違法コピーができなくなり、HD録画機から光媒体への保存はムーブしかできなくなりました。ネット上や怪しい路上販売で違法コピーしたコンテンツが出回なくなりました。テレビで見たい番組があるならユーザは生放送で見るか録画するしかなく、見逃した撮り逃したからといって友人たちに録画したものをコピーしてもらうことはできなくなりました。パッケージメディアはDVDなりブルーレイなりHD-DVDなりを購入するか、レンタルビデオでレンタルすることでしか視ることはできません。コンテンツホルダー側の主張するとおりの著作権が完全に守られた世界が実現したとします。
 さて、その世界ではコンテンツ産業は今以上に反映しているものなのだろうか?
 まさかコピーワンスによって違法コピーが入手できなくなれば、それまでの違法ユーザが本来のパッケージを購入するようになると考えているわけではないでしょう。

 コピーワンス推進論者の有名な論客に、西正氏がいます。彼の記事「「コピーワンス見直し」で留意すべきこと」から著作権に対する考え方をまとめると

  1. コピーワンスの主眼は「著作権の保護」である(B-CASも含む)。
  2. コンテンツの保護ができないと、良い番組、良いスポーツイベントの放送権調達ができなくなってしまうので、かえってデジタル放送の普及を阻害する。
  3. タイムシフト視聴を行うだけならば、1回録画ができれば構わない。
  4. アーカイブというのなら、DVD(パッケージメディア)を買ってきた方が合目的的である。
  5. コンテンツの制作費は無料ではない。ユーザ側で勝手にアーカイブにして編集されたりすると、結果として良質なコンテンツがでなくなる。
  6. アナログ時代はコピーを抑止する技術は無かったし、コピーを繰り返せば画質が劣化して、商品価値がなくなるから許されたと考えるべきである。
  7. 将来的にはもっと利便性の高い使い方をしたい人は、有料で契約をしてサーバ型みたいなサービスを受ければ良い。

 ここで7番は論外として(まだ実現の目処も立っていないことを論じても意味が無い)、4番も私のようなキャプチャしたアニメの再エンコを趣味としている人間にはいろいろ突っ込みたくなるような内容ですが、こうしてまとめてみると、西氏の論は根本的に、コマーシャルを放送してスポンサーからの広告料を得る、テレビをプロモーションとしてパッケージメディアを販売するという現行のビジネスモデルは維持しなければならないという立場に立っていることが分かります。だからユーザに勝手にコンテンツを編集してアーカイブを作られてしまうのはまずいし、アーカイブが欲しいならパッケージメディアを買えとなる。
 だがしかし、違法コピーがなくなればそれを集めていたユーザがテレビを見るようになって視聴率が上がり、あるいは金を出してパッケージメディアを買うようになるのだろうか。西氏の論が成り立つためにはこの2点が成立することが前提です。

 ここで肝心なのは、違法コピーがなくなったからといってユーザのお金が増えるわけではないという当たり前の事実です。テレビを始めとするコンテンツメディアはあくまで娯楽であり、生活必需品ではない。違法コピーが無くなったからと言って、全てのユーザがパッケージメディアに乗り換えるとは限りません。それでも本当に好きなユーザならパッケージメディアを購入するかもしれませんが、果たしてそれは違法コピーのユーザの果たして何割ぐらいを想定しているのか。例えばよくWinnyでは一日あたり何百億円相当ものコンテンツが流れているというが、では今はWinny登場前よりもコンテンツの総売上は何百億円も下がっているのか、ということです。もしそれほど下がっていないとすれば、逆にWinny(やShareなどのファイル共有ソフト)が全て無くなったからとしても、やはり今より何百億円も売り上げが上がるという保証は無い。せいぜいがWinny登場前に戻る程度であり、Winnyの登場によってコンテンツの売り上げが全く落ちてなかったすれば、やはりWinnyが無くなってもコンテンツの売り上げは上がらない。

 そしてコピーワンスで違法コピーのユーザを全てなくしてしまったら、それはもしかしたら、将来的にはコンテンツ産業の裾野を狭めてしまうかもしれない。なぜか。それは違法ではあっても、ユーザはそれを見るために時間を消費しているからだ。

 当たり前の話だが、時間は誰にでも平等に1日24時間しかない。そしてその限りある時間を、ユーザはコンテンツを見るために、あるいはキャプチャしたコンテンツを編集したり再エンコをかけたりして過ごしているのです。コピーワンスでそれらが出来なくなったとしたら、ユーザは空いた時間を別の娯楽に割り当てるかもしれないのです。
 これは私の経験でいうのですが、アニメというのは毎週何本ものアニメ番組を見て、何年も続けて初めてその良さが分かってきます。昔は私もアニメは見たら捨てるという立場でした。当時はビデオカセットの時代でしたが、アニメは1回見てそれを楽しめばそれで十分であるという考え方でした。それが毎週何本ものアニメを何年も続けて見ることにより、作品間のアニメの比較ができるようになり、自分なりのアニメの見方を確立していったのです。そうなって初めて、これはと思うようになった作品は撮っておきたくなったのです。そこで当時はビデオカセットでしたが、それをビデオにとって残すようになりました。そしてキャプチャボードを購入してからは再エンコで圧縮するようになり、今では何本かDVDパッケージを購入するようにまでなりました。
 このように、パッケージメディアを購入するほどのマニアにユーザが成長するためには、そのコンテンツの良さが分かるまでコンテンツを見続けていくしかない。私は野球やプロレスなどのスポーツ番組にもドラマや歌謡曲にも興味が無いが、スポーツやドラマ、歌謡曲の面白さが分かるためにはやはりそれなりの時間がかかるものです。特にアニメやドラマなどは連続モノになっているものが多く、1回見逃したら話の筋が追えなくなってしまう可能性も高いため視聴意欲を削いでしまうこともあり得ます。

 テレビが娯楽の王座ならまだそれでも良かった。家で手軽に楽しめる娯楽がテレビしかなかった時代なら、暇つぶしにテレビを見ることで野球やプロレスなどのスポーツ番組やバラエティ番組、ドラマや歌謡曲などに意識せずに接することができました。しかしいまや、テレビに代わる可能性のある娯楽が登場しました。インターネットです。
 テレビが娯楽の王座になれたのは、家に居ながらいつでも視聴することが出来るという点で映画にはない手軽さがあったからです。解像度や音声という点では映画には敵わないにも関わらずです。その映画もフィルムに画像を映すことで舞台の制限に関係なくどの都市でも上映できるという利点があるからこそ、演劇から娯楽の王座を奪いました。演者の演劇をナマで見ることは出来ないにも関わらずです。このように娯楽の王座が移動するときには、それまでの娯楽には無いメリットがデメリットを上回った時に発生するものです。そしてインターネットは、今までのテレビが電波の割り当てなどの理由により放送局でしか放送できなかったものが、誰でも個人で情報を発信できるようになったという一点で、テレビから娯楽の王座を受け継ぐ可能性があるのです。インターネットはテレビと違って固定料金がかかるのでタダでとはいきませんが、逆に言えばいったん固定料金を払ってしまえば後は基本的に電気料金しかかからない。その点ではテレビとインターネットは同等と言えるのです。

 コピーワンスによる違法コピーの撲滅で不便を感じたユーザはテレビコンテンツを捨て、パッケージメディアを購入する代わりにインターネットを始めとするほかの娯楽に逃げてしまうかもしれない。そうなるとコンテンツに対し目の肥えたユーザの裾野が狭くなり、結果として中長期的に見ればテレビコンテンツの産業が衰退してしまうかもしれない。そういう可能性も否定しきれないのです。

 このように、コピーワンスはコンテンツ産業に繁栄をもたらすかについては、はっきり言って分からないと答えるのが妥当でしょう。もしかしたら衰退をもたらすかもしれない。それでも著作権を守るためには絶対にコピーワンスが必要だ、そのためにはコンテンツ業界が縮小しても構わないと主張するのであれば、それはそれで1つの了見です。

 それでも私は、デジタル放送のコピーワンスは絶対になくならないと見ています。

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コメント

私はインターネットニュースで見たところによると、コピーワンスが緩和される話し合いがもたれているらしいので、緩和されるのに期待しています。
もっとも、いつまでもアニメやそのほかの映像コンテンツがテレビ放送によって配信されるわけではないでしょうね。
今やっているアニメもインターネットでみることができたりしますし。
そんななか、YouTubeの隆盛をみてTV放送する側はなにかを学ばなければいけないと思いますよ。著作権が侵害される元凶みたいに捉えているとしたらTVに未来はないでしょうね。

投稿: ZZZ | 2007年3月 2日 (金) 01時35分

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